気恥ずかしい通訳経験

リンパマッサージの資格講座を受講して半蔵門の骨盤矯正の評判を知った経験や身になるプレゼンテーション研修を受けた経験を活かし、渋谷のシェアオフィスを内覧に訪れた、シンガポールにある製缶工場の通訳を引き受けた時のことです。あの日は麹町の腰痛専門治療院に行った帰り道のことでした。日本語から他言語へ通訳をするのは、他言語から日本語へ通訳するより難しいと思います。茨城県のAGAクリニックの評価作業を始める前は少なくとも私は岡山の果物を通販で取り寄せることに、そう感じていて、日本語を英語にしようと思うと少し時間がかかります。理由は、母語である日本語なら自分の言葉を紡いで自然にできるのに対し、英語なら文法などを多少なりとも気にしながら話すからです。ネイティブレベルになってくるとここに違和感や喋りにくさを感じないのでしょうけれど、忘れてしまったり思い出すのに時間がかかるような単語やイディオムがあればスラスラとはいきません。

ですが、二人の間に立って通訳を行う場合、日常生活ではこのどちらも行うことが多いと思います。その時には、場合によっては負担となるので例えば2泊3日の旅行など、長いものは避ける方が良いと思います。一人が言語の違いによって置いてけぼりになるのは心苦しいですし、それを解消できるのは自分だけという状況は少しプレッシャーも感じるからです。やるなら長くても日帰り旅行ですね。私はこの会社の従業員の方に日本語を教えていたので、日本から技師が来るから、通訳してくれと頼まれました。日本から来られた技師の方は、前にもこの工場に機械の据え付け作業をしたことがある人で、製缶工場の従業員の方々とも顔見知りでした。

缶の側面と底をくっつける作業をする機械に不具合があったようで、調節方法を日本側の会社に尋ねたのですが、結局うまく状況が伝えられなかったため、日本から技師を呼び寄せたということでした。通訳の私は、製缶技術に関して全く無知で、専門の機械部品の名前は、両者が発音してみて、簡単な絵をかいて確認するという方法をとりました。これまで試した機械の調整方法については、仕様書を持ち出してきて、この方法もあの方法もやってみたがだめだったとシンガポール側がいい、私には話が前に進んでいるのかどうか全く分からないまま、機械の前にみんなが集まりました。

一度、機械を動かしてみると、やはり不具合はあるようです。日本からの技術者の方は、無言で数回調節を行い、30分ほどで機械はうまく動くようになったようでした。どのような調節を行ったかは、横で見ていてもわかりませんでした。

そこでシンガポールの工場長は、いま行われた作業を書面で書いて渡してほしいといいました。技術者の方は、図面で作業工程を書いておくので、明日ホテルに取りに来てほしいといいました。

結局、私が通訳らしいことをしたのは、作業の内容を書面にしてほしいというシンガポール側の要求と、日本からの技師の方がその要求を受け入れ、翌日ホテルにその書面を取りに行くということだけでした。
あまりに役に立たない通訳だったので、恥ずかしい思いをしました。